⑥冬眠10年啓蟄

居合道五段取得後は少年剣道指導に力を入れたが、難病の妻の介護には地元での剣道稽古は都合がよかった。
その間、あとから居合道を始めた若き剣士達が六段になっていったが、古希を超えた鈍舟には他人事。
ところが、平成21年夏異変到来、町剣友会世話役の剣士が6段審査の申込用紙を配布していたので、「私にも呉れ」と言うと、びっくりした顔で「受けるんですか」と言う。
せっかく福岡で審査があるのであれば、宿泊費も交通費も要らないので受審してみようと答えた。
80歳に近い老人がまさか受審するとも思っていなかったであろうに。
平成21年79歳であった。