2024-08-24

残心について(1)

「残心」は、武道においてよく使われる言葉であるが、私たちの日常生活においても大切なことである。
全日本剣道連盟居合・いわゆる制定居合の解説書では一本目「前」の説明の中での居合腰のところで「残心の気構えで・・・」が初出で、あと、5本目「袈裟切り」の項で「八相の構えとなって残心を示す」、10本目「四方切り」の「諸手左上段の構えとなって残心を示す」の3ケ所に示されている。
では他の技には残心は不要なのか。
そうではない。解説書の序文にある制定の趣旨に示されているように、「いやしくも剣道人ならば少なくともこの程度のことは・・・」なのである。剣道の知見が前提になっているからである。

中央講習会で、12本目の最後「元の位置に戻る」ところで「沈黙の残心」と講師が言われた言葉が心に残っている。
いまや、制定居合道も一つの独立した武道として多くの人に親しまれている現状を念頭に置いて考えたい。

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