今日(6月19日)の西日本新聞(23面のデスク日記)で歌舞伎役者・故中村勘三郎さんの言葉を知った。
「型破りって言うのは型があるから型破り。型がなければ単なる型無しなんだよ」と。
私たち居合道を修業する者、まず型を確実に学ばねばならない。
小さなこと?例えば1本目『「こめかみ」に抜きつけ、さらに(振りかぶって)真っ向から切り下して勝つ』の部分で、
解説書に「注(1)振りかぶったとき、切っ先を水平より下げない。」とあるが、
これが守られていないと、鈍舟は必ずと言ってよいほど「剣先が下がっている!」と注意する。
「うるさい!」と思われているかもしれないとは思う。
でも小さいことに目をむけることが大切である。
戦うときには敵の小さな動きにも目を向けなければ敗れるのである。
上段者の演武では、必ずしも「型」通りでないこともある。
然し「形」になっているのである。一つの「型破り」になっているのかも知れない。
初心者がこれをやったら、それこそ「型無し」ましてや「形」でもない。
「型破り」の積み重ねによって、新しい流派が生じてきた歴史でもある。
鈍舟